『炎の蜃気楼』『炎の蜃気楼』(『ほのおのミラージュ』と読みます。) 10年以上前に始まった小説です。 「長い道のりだった」という方 「前に読んでたけど、途中で挫折した。」という方、いろいろいらっしゃるでしょう。 「あの、やたら長い奴よね。結局どんな話なの?」という方もいらっしゃるでしょう。ミラノ的視点から書いて行きますので、違う印象を持たれている方も多いだろうということを一応、ご留意下さいませ。 ■私は、2002年春頃に、アニメを見て(直江に?)はまった友人に勧められ、小説を2冊借り、 一晩で読んだ後、ぐうぜんBOOK-OFFで13冊も見つけたので一気に買って 加速度的に、はまりました。 (なので、始まってから10年以上経っての『入門』となります。シリーズの35作目辺りで、とっても遅いです。それでも夏までに一気に既刊を読み、新刊のサイン会に行った辺り、情熱というか、とにかく傾倒していました) その時点で「もっと読みたい」と思った訳は、『千秋』という仲間のキャラがメチャクチャツボだったからです。 ビジュアル面ではもちろん。(長身、長髪、メガネ) 口ではクールな事を言っていながら、仲間の危機にはシレ~っと助けに来るというのが、メチャクチャ好みなのでした。 またイラストもね~~。最初は東野さんだったのですけど、その千秋がメチャツボで、見とれていたものです。(メガネ男子萌え初期) (アロハ着用・・ってのは最初は好みではなかったけど、今となっては需要なキャラクターづけだったような・・) スートーリーは複雑過ぎて、ちょっと40巻+番外編10冊以上を一息には説明できませんが、 戦国時代に死んだはずの上杉景虎(謙信の養子。美形だった方。笑)が、実は他の体に乗り換えてこれまで400年生きていて、仲間達と、怨霊退治(魂をあの世に送ってやることから調伏といいます。)をしてきたという設定です。 一応、主人公の、高耶(景虎)、直江(今の名前は橘) 千秋(昔の名前は安田)達は、怨霊達の警察…もしくは、必殺仕事人…もしくは『ヴァイス』みたいな役割で、自分たちは『征服』を考えずに、一般人達に害をなす怨霊たちを『調伏』していたのでした。 この、『調伏』シーンもカッコ良くてね~~~。 惚れ惚れしながら読んでいたワタシ。 ■それから、4巻では、仙台で、伊達を助けて、他の怨霊を退治するのですが (一応、舞台は現代なんだけど、昔の武将の魂が、現代人に宿ってますからね) 男3人に、昔は柿崎という男の武将だったけど今は女性の肉体に勧生(魂を宿す事)している『晴家』との4人で、城に乗り込むところが活劇としても面白かったです。 襲いかかる敵達を、『調伏!』(ジュワ~)←相手の魂が浄化する音(笑)ミラノオリジナル。 『調伏!』(シュワ~~)と、なぎ倒しつつ、4人で駆け上っているんですよ~~。ワクワクでした。 ■主人公の高耶(景虎)は、最初は上杉景虎としての記憶を無くしているんです。 それはどうも30年前に織田の怨霊と戦った時の事件に起因しているらしい… (これが最初の頃の論点ですね) そんな彼を、ずっと探し続けていた直江が、見出し、役割を教え、力を目覚めさせるのでした。 ファン達が、このお話にあれほど熱狂した一番の要因が、二人の強烈なキャラクターでしょう。 主人公、孤高の女王様、高耶と、超セクシイなくせに至上最強のぐるぐるキャラ、直江 注:ミラージュ用語で、『悩んだり考えすぎたりしてモンモンとすることを回るもしくはぐるぐるするといってました。 直江がね~~~、出てきた頃は、(今もですが)メチャカッチョよくてね~~。 ダークスーツにグラサン姿で、「ですます」超のセクシイボイスで励ましの言葉も愛の科白も喋ってくれちゃう設定なんですけど、読む度に『クラクラ~~~』なのでした。 ・・それに昔はすごーくお金持ちだったし。 ■でも、仙台の頃ですか、直江が高耶の寝顔の頬に手を当て、「嫌わないで」とか呟いていたのを読んだのですよ。(衝撃的だったので印象深い) その頃のワタシは、萩尾望都は読んでいても、『摩利と慎吾』で実際やってしまったのはどうよ!と思うくらいの、アンチ801というか「別に男同士じゃなくてもイイジャン」というか「プラトニックでいいじゃん」派だったので 「ええっ!!まじぃ???これって…そんなオハナシなのですか????」 と、結構引きました。(ホントだって) しかし、その点につきましては直江の『紳士的かつエロエロな魅力』と高耶さんの『純情でいてフェロモンまきちらしな魅力』に気付いてしまい、何時の間にかこの世界にどっぷりはまり込んでいるわけです。 (いまでは『ミラージュは数冊に一回しかエッチないし、軽いよな~』と、想っている私です。しかしうちのオット・・・良く読んだな~) ■そのうち直江は、実は高耶(景虎)を愛しつつも、男としてのライバル心もあって素直に愛情大爆発できなかったり、高耶の方でも素直に受け入れられなかったりと、『じれったいんだよう』状態なこともありました。 それでしばらく、2人の、『引かれ合ってる…という言葉だけだは説明できないくらい深く結びついてるのに、悩みながら相手と接する』時期が続いて、読者も苦しい苦しい…。なのでした。 おまけに敵が強大化して、直江は一時、死ぬし…(ハンサムで良いカラダな橘の肉体には絶対死んで欲しくなかった私は、ここを読んで絶句。でも、リアルタイムで読んだ人はもっとショックだったらしいです。) そのショックで高耶さんは直江関係の記憶だけおかしくなるし…(この時、実に良く千秋がフォローしてるらしいのだけど、それがあまり書かれてないんだよね~。残念) そのうち、高耶さんの魂に異常が見つかって、本人も知らないうちに、こっそり『冥界上杉軍』の大将の座を外されてるのですよ。 九州編で、敵と戦い傷ついた高耶さんが、水辺で、遠いところにいる仲間達を呼ぶのに、(大将としての力を失っている為に)何も起こらないシーンにはさすがの『哀しいの嫌い』なワタクシも泣きました。一緒に寂しがり悲嘆にくれるのでした。(ここまで感情移入した話は久々だったのですよ) その後、肉体が復活していた直江との仲は、一応確かな物になったんですけど 高耶の魂の問題は解決してなくて、恒星が肥大化して最期に大爆発して消える…のと同じような運命をたどると言われているのを皆憂いているのです。 最初の頃はシンプルで良かったんですけどね。 20巻を過ぎた辺りから、主人公が上杉を離れて、他の団体に入っちゃって…でも女王様だから、そこでも尊敬されてアイドルになっちゃって…敵も味方も膨大に膨れ上がりつつ、敵の信長に拉致されてみたり~ので、今では非常に分かりづらいのですよね。 それから、30巻代のあたりでは、戦国時代以外の武将達の魂も参戦したので 「えっと、この人は敵?味方? えーとそれとも第3者?」 などと分かりにくくなり、中には赤線を引きながら読んでらっしゃったというかたもいました。 究極の敵は、『信長』なのですけど、それと同時に 酷使してきた高耶の魂が、限界にきていて 『果たして高耶(上杉景虎)の魂は本当に消滅してしまうのか』(魂が消滅してしまったら、もう生まれ変われない) というのが、後半の読者の大きな心配事でありました。 大ドンデン返しを期待していましたが、心配の通り、高耶さんは人としては蘇ることなく、私ら読者はしばらくのあいだドヨーンと落ち込んでしまったのであります。 でもでも、普通のBL小説ならお約束の『ハッピイエンド』ではなく 直江が1人残されて、高耶の魂のほんの一部を胸に、これから一人で生きていく (たとえ世の中が漂流教室のような世界になった後も延々と・・) という終わり方も、『百億の昼と千億の・・』ではないですが 胸に残る小説の終わり方としては良かったのかな・・と思えるように・・・やっとなりました。 全然知らなかったという方、本を読み始めるのはムリでも、 アニメの再放送などありましたら、ちょっと見てみて下さいませ。 声優陣も、高耶(関俊彦さん) 直江(速水さん) 千秋(松本さん) 信長(ちょっとしか出ないけど置鮎さん) などなど、豪華ですよv ジャンル別一覧
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